中学生に「児童福祉」を語ってきました

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中学校で行われる総合学習の時間に、「児童福祉」について話して欲しいと依頼を受けました。中学生に必要な内容はどこまででしょう。できるだけ深く考える時間にしてもらいたいと、2時間たっぷりを使って一緒に学んできました。

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「福祉体験」は高齢者と障害者

福祉の大きなテーマである、児童福祉・障害者福祉・高齢者福祉ですが、後者2つは体験ができるんですといわれました。確かに体験できるといえばできる。私も勤務していた職場で体験をさせていただいたり、福祉イベントの時に参加したこともありました。そういえばあれも「体験」といえば体験だったのかもしれません。

今回、子どもたちにとって最も身近なはずの「児童福祉」ですが、統計とニュースでしか知ることができず、どうしても人ごとのような状態になってしまいそうだということ。生徒たちもワードとしての「児童福祉」や「虐待」は知っているけれど、それがどういうことなのかがわからないのでした。

統計データをどう読んでいくか

ちょうど、平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)が厚生労働省から出たところです。この数字と、生徒たちが生まれた15年前を比較。そうして親になる15年後を想像してみる。もちろん未婚率の増加などを考えたとしても、とんでもない数字になってしまいます。関連した生徒たちの質問には男女比や関わる施設の規模や数など、具体的な数値の質問も多くありました。

全国平均と宮崎の割合にも大きな違いがあり、地域差の大きなことにも驚きました。

また、同学年の生徒の事例を2件紹介して、想像してもらいました。この子どもたちは特別ではなく、このような家庭が多く存在していることも理解していたようです。その中に、散らかった台所の写真が一枚ありました。それは、参加した一人の生徒にとって、おばあちゃんを突然亡くした後の、おじいちゃんの家の状態と重なったそうです。誰かを失ったときの悲しみや行き場のない寂しさに、時間が止まったままの家になるのですね。

もし、大災害が起きれば誰にでも関わるのが「福祉」

それぞれの家庭の事情だけが、福祉サービスを受けるきっかけではありませんね。

最大規模の台風や地震などが予測される中で、私たちはいつでもそのサービスを受ける可能性があります。社会の仕組みを知ることが、自分の生活を守る術になります。その上で、自分だけではなく、気になる人がいればその人たちに必要な情報を積極的に得る努力も必要です。

しっかりと問答を繰り返す中で、生徒たちにとって「児童福祉」が基本的な人権を守ってくれるものとして伝わるように話しました。もしかしたら、生徒たちの中には過去に児童相談所との関わりがあった人もいたかもしれませんが、どうぞ権利として経験したと思って、自立することを目指して欲しいです。

私も、中学校で話す日が来るとは思っていませんでした。宿題を出された時はどうしようか考えましたが、事実を知ることが一番の学びですね。もうしばらく福祉を学んで「福祉新聞」を出すそうです。楽しみにしています。

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